メッセージ


国際市場ニーズにマッチしたイノベーション推進


2016年3月27日


 ICT(情報通信技術:Information & Communication Technology)領域で世界最大の売上高と時価総額ランキング世界No.1の座に君臨するApple(1976設立)GDP (国民総生産)とGNI(国民総所得)ともに2015年世界No.1の経済大国米国には、Appleの他にGoogle(1998), Qualcomm(1985), Cisco(1984), Microsoft(1975), Intel(1968), IBM(1911)等の世界トップクラス企業が存在します。これらの企業に共通するのは、新商品や新事業を創出するイノベーション(Innovation)力を有し、グローバル市場での今日の売上げを研究開発に投資し明日の売上げに繋げるプラスのスパイラルに乗っていることです。2020年開催の東京オリンピックは、日本がプラスのスパイラルに乗る21世紀最大のチャンスです。東京オリンピックを契機に、日本社会はより安全・安心・快適なスマート社会へと発展します。日本型スマート社会の実現に寄与した日本企業には、その実績を利活用したい世界中の企業からの連携・協業の申込みが殺到し、日本企業と現地企業の協業により商品のローカライズ化が進展し海外事業の大幅拡大が期待できます。高いインベンション(Invention:発明・発見)力を有し、海外企業と協業する企業のみが、グローバル市場での新事業創出に更なる力を発揮し世界有数のイノベーション企業として成長します。

 

マーケットニーズ

 

新商品には、製品、システム、サービス、技術があります。日本はこれまで、最大の貿易輸出相手国米国に対して、自動車、電気機器等の高品質なメードインジャパン製品を中心に輸出してきました。近年、ICT領域の国際標準化と技術のオープン化が推進され、製品を構成する半導体、部品、モジュール等と高度組立て用ロボット機を日本から輸入・導入すれば中国や韓国でも所要品質を満足する製品が製造可能となりました。加工貿易の優位性は、日本から人件費等の製造コストが安い中国や韓国やASEAN諸国へシフトしています。今後の日本経済成長の鍵は、製品だけではなくシステムやサービスや技術において、米国企業と同等以上の主導権を取り、米国や中国を中心としたグローバル市場に通用するイノベーション力を発揮することです。そのためには、先ず市場ニーズのキャッチアップが最重要となります。

 

 最先端イノベーションニーズが高い米国社会

 

米国は、ICT領域に航空・宇宙開発や軍事技術や自動車関連技術で培った制御(Control)、誘導(Navigation)、監視(Surveillance)を加えたICCNS領域で世界最高水準の技術力を有しています。その技術力の源は、アメリカンドリームを夢見る個人の高いモチベーションです。モチベーション向上には、地位向上、収入増等の企業内インセンティブや公的認定資格所得や外部機関からの表彰等の外的因子と自己の知的好奇心による内的因子による動機付けが必要不可欠です。

  米国の知的財産収支は、2014年世界No.1の黒字国でNo.2黒字国の日本の約7倍です。また、自然科学分野のノーベル賞やフィールズ賞では、日本の10倍を超える圧倒的な受賞者数を誇ります*1, *2。米国は、外的かつ内的な動機付けを上手に行い多くのチャレンジ人材を育成し、彼等が高いモチベーションを保持し自己の能力を最大限に発揮して活躍する場が豊富に存在する社会を形成しています。

 米国社会は、1787年成立の合衆国憲法第1章に明記されている特許・商標・著作権等の知的財産権保障制度や建国以来「人種の坩堝」と言われ世界最大の移民受け入れ国家特有の国民の多様性を基に、個人が技術的なインベンション(発明・発見)と儲かる新ビジネスの創造に日々チャレンジしがいのある社会が形成されています。

  2015年の100万ドル以上の家計金融資産を有する富裕層世帯数は、大きい順に米国(約690万世帯)、中国(約360万世帯)、日本(約110万世帯)であり*3、日米中の総世帯数*4は、米国(約11,672万世帯)、中国(約40,193万世帯)、日本(約5,184万世帯)であることから、富裕層世帯の割合は米国(約5.9%)と中国(約0.9%)、日本(約2.1%)となります。さらに、1億ドル以上の家計金融資産を有する超裕福な大富豪世帯数は、米国(5,201世帯)、中国(1,037世帯)、イギリス(1,019世帯)の順であり、米国社会には豊かさを実感している人達が多数存在します。一方、米国や中国は超格差社会と言われていますが、実は日本も100億円以上資産有する大富豪世帯数は750世帯以上存在し、富の分配の面では明らかに超格差社会になっています。

 しかしながら、富裕層や大富豪の存在は、破壊的イノベーションによる新商品・新事業創出のニーズが高いベンチャー企業の培養国家であることも意味しています。 

 

 中国市場ニーズのキャッチアップ

 

中国は米国に次ぐGDPGNIを有する世界No.2の経済大国です。一方、現時点の知的財産収支を比較すると、米国は世界No.1の黒字、逆に中国は世界No.2の赤字です。その理由の一つが、中国は戦後の経済成長期の日本と同様に、現時点で「世界の工場」として見様見真似で商品を生産しているが、特許のロイヤリティ支出は避けられない薄利多売の厳しいビジネスを行っているためと推定できます。

  しかしながら、米中日の特許出願件数(2012年度)を比較すると、中国が652,777件、米国が542,815件、そして日本は342,796件で世界No.3です。また、中国は、世界最大の中華人ネットワーク(2014年の世界人口72.44億人中、中国人口13.94億人に華僑等のASEAN諸国を中心に世界中に散在する華人人口4000万人を加えると14.4億人で約5人に一人が中華系)を有しています。さらに、華僑の多い香港やシンガポールは超富豪世帯率が世界のNo.1とNo.2です。

 極一握りの超富裕層のニーズは、自己の面子を高める「Only One, No.1」商品の獲得です。国民のほとんどが自国製品の品質に懐疑的であり、超富裕層だけではなく近年の賃金上昇に伴い不可分所得が増えて豊かになった富裕層や中産階級の人達が世界中で高価な高品質なブランド商品を爆買いしています。

  中国は今、「世界の工場」から「世界の研究開発拠点」への飛躍を目指しています。今後も中華人ネットワークを活かした「マーケットイン・プロダクトアウト」や富裕層の嗜好を考慮し「必要は発明の母」の原則に基づきイノベーションを推進すれば、間違いなく「世界の研究開発拠点」になることは可能です。

 

日本企業のイノベーションターゲット

 

世界中に日本製品の「安全・安心」ブランドが確立しています。今後の米中向け新商品開発において、「安全・安心」ブランド価値を向上させる持続的イノベーションと富裕層向の従来に無い画期的な新商品を創出する破壊的イノベーションの両立が必要です。そのためには、イノベーションを推進している米中のキイーパーソンと速やかに協業・連携し米中市場のニーズを的確に把握し、ターゲットを絞り込むことが必要です。

 

東京オリンピック2020

また、日本独自ターゲットの絞込みには、2020年の東京オリンピック開催に合わせるのが最適です。既に、日本国内では世界初の第5世代移動体通信システムや自動運転車両や社会インフラ老朽化対策、災害用、警備用等のロボットの実用化を目標に、破壊的イノベーションが推進中です。東京オリンピックは、日本の最先端ICCNS技術に基づく新商品創出のイノベーション力を世界中にアピールできる絶好のショーケースとなります。特に、開催期間中の外国人観戦客や訪日観光客は、日本滞在期間中の手を尽くした日本の「おもてなしサービス」に感嘆するはずです。オリンピック開催期間中に日本からTVSNSを通じて発信される映像は、世界中の人達に試合中継の感動だけではなく日本への高い関心を与えます。日本紹介の映像には、名所や旧跡だけではなく新商品を構成する製品に加えてシステムとサービスと技術も含まれ、未来社会のテストベッドとして世界中の人達が「宝の島」日本を羨望の眼差しで見ることになります。

 前回1964年の東京オリンピックでは、高度経済成長期の日本の国際社会への復帰をアピールできました。当時の田舎の一般家庭では白黒テレビとラジオしかなく、高価で貴重なカラーテレビはお金持ちの家か学校等の公的機関の特別室に設置してありました。個人的には、小学校低学年生でクラス単位にオリンピック閉会式の模様を鑑賞し、地球上には本当に肌の色の違う多種多様な人種と国が存在することを知りました。その感動体験が内的な動機付けとなり、現在の企業間の国際協業を推進する活動につながっています。

 今回の東京オリンピックを機会に、我々日本人の生活レベルも前回と同様に劇的に向上するはずです。例えば、IoT(Internet of Things)の家庭内や地域やオフィスや工場への段階的な普及とビックデータと人工知能の利活用が確実に進み、スマートホーンが個人の必須ツールとなります。スマートホーンの基本機能として日本人の一人一人を24時間体制で生活を支援してくれるサポータやエージェントが備われば、日常の職住生活を安全・安心・快適・便利に過ごせる成熟したスマート社会が実現します。さらに、5Gワイヤレスネットワークのブロードバンド化により世界中の人達との距離がサイバー空間を介して縮まり、個人の海外交流が一層盛んになり海外企業との連携・協業が当然と考える企業キイーパーソンが増加します。

 

 当社のミッションと2016年活動方針

 将来のグローバル市場に対する日本型スマート社会の訴求効果の有無は、我々日本人が国、言語、人種の壁を超えた地球人としての国際感覚を持てるか否かにかかっています。当社も小さいながらも日本企業の一員として、

・ICCNS領域の最新国際技術動向調査

・国際市場の最新動向調査と解析

・独自EPCNの国際展開

・内外企業のキイーパーソンとの連携強化

をミッションにスマート社会の構築に寄与し成長を目指します。

 2016年1月より当社第7期事業年度が開始しました。創業以来、企業のイノベーションのクリエーターやナショナルプロジェクトのプロジューサーとしてコンサルティング事業を実施し、昨年12月には無錫玄人网絡科技有限公司(当社100%子会社:2012年中国江蘇省無錫市開発新区に設立)と連携し「協業パートナー企業探しサービス」をスタートし、企業のグローバルビジネス展開に向けてのエージェントサービスを当社コンサルティング事業に追加しました。

 今後も、企業のイノベーション活動を支援するコンサルティングサービスを主力に、その補完的な位置付けとなるナショナルプロジェクト提案やグローバルビジネス展開の支援サービスを提供します。特に、内外企業のキイーパーソンとの連携を強化の一環として、当社主催のワークショップ開催を企画しました。知的好奇心旺盛な皆様のご参加をお待ちしております。

 

2016年3月27日

 

 

 

*1 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%81%AE%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E8%80%85

*2 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E8%B3%9E

*3 http://www.travelvoice.jp/20150617-44800

*4 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm