目に見えない脅威


 日常生活には、普段は目に見えない多種多様な脅威が潜んでいます。一般に、人間の5感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)の検知限界は、半径10m程度のパーソナルエリア内です。

 突発的に遭遇する事案(インシデント:Incident)は、パーソナルエリア内外や屋内屋外を問わず、どこでも発生します。屋外での交通事故や屋内での不慮の事故は、目に見えない脅威が原因であり、身の安全に係る事案となるケースが多発しています。


脅威事例


 自分の身の周りで発生する出来事は、事案(Incident)、事故(Accident)、緊急事態(Emergency)、危機 (Crisis)、災害(Disaster)、破局(Catastrophe)と被害の甚大度により段階的に分類されています。日常生活では、些細な事案が大きな事故や緊急事態の引き金になる脅威事例が多発しています。


特殊詐欺被害の増大


 現代スマホ社会では、屋外・屋内の区別なくいつでも、どこでも、個人の金融資産を狙う特殊詐欺犯罪が増加しています。特殊詐欺犯罪は、加害者(犯人)からの電話やメールがトリガーとなる屋内型の犯罪であり、被害者の大半は金融資産を有する高齢者です。犯人の直接的な認識が困難な目に見えない脅威に該当します。

 最近は、高齢者に対するオレオレ詐欺だけではなくスマホ保有者を対象とした新たな手口の特殊詐欺が次から次へと実行され、被害額が約280億円(2021年度)と高止まりの状態が続いています。



脅威からの回避


 スマホを活用した脅威からの回避は、自助共助の促進の観点からスマホ社会の喫緊の課題となっています。


自助


 セキュリティ(安全)の原則は、自助精神を発揮して自分の身の周りの安全は自分で守ることです。日常生活において、自分のパーソナルスペース内で5感を働かせインシデントの発生を検知し、自然災害や人為的災害のリスク回避に努めています。


リスクマネジメント


 個人のリスクマネージメントの基本は、「君子危うきに近寄らず」的な慎重な行動です。一方、共助や公助の観点から、被害を最小限に抑えるために、過去の経験を元に日常の予防、リスクが顕在化した場合の対応、および復旧のすべての活動等がリスクマネージメントとして時間軸上で規定されています。日本国内には、具体的な共助や公助の実施例も数多くあります。


想定外リスク対策


リスクマネージメントの限界


 日常生活で自分の身近で突発的に発生するインシデントは、個人の5感の検知範囲を超えた認識困難な目に見えない脅威として発生します。特に、過去に経験したことがないようなインシデントは想定外リスクとなるケースが大半です。また、被害規模が大きい危機や災害や破局に遭遇した際には、事前に想定していたリスクマネージメントで対処できず、想定外リスクとなる場合が多々あります。


認知・判断能力の向上


 我々は、目に見えない脅威に遭遇し想定外リスクに直面した際には、下記の3つの知的活動プロセス

 ① 認知5感により直ちに脅威の内容を的確に把握

 ② 判断:脅威からの回避行動の緊急性を認識し、最適な回避行動を選択

 ③ 行動:選択した回避行動を実行

を経て身の安全を確保しています。

 当社は、独自のAI利用型脅威認識技術と注意喚起方法を開発し、①と②の認知・判断能力の向上させた想定外リスク対策に取組みます。