心の拠り所


働く意義


 日本の総人口は、1億2,550万人(令和3年10月1日現在)であり、65歳以上の高齢者数は、3,621万人(総人口の28.9%)となっています。

 15歳以上の労働力人口比率は60.2%(2022年)、15歳~64歳を対象とした労働力人口比率は80.6%であり、大半の人が勤勉に働いています。

 働く目的は、60歳未満の場合は、お金を得るためが生き甲斐を得るためよりも多く、逆に60歳以上では生き甲斐を得るためがお金を得るためよりも多くなります。


必要性



 日常生活に対する意識調査結果が、犯罪白書(令和4年度版)に掲載されています。充実感は、30歳未満から60歳未満まで年代毎に減少する傾向にあり50歳代が最小になっています。また、満足感は、30歳代が最大で40歳代が最小になっています。大切なポイントは、勤勉に働くだけでは、充実感も満足感も得られない人が多数存在することです。その要因の一つが孤独感です。孤独感は、職場での付き合いがあるにもかかわらず、20代から50代まで常に存在します。

 実際に、日常生活の悩みは不安は年々増加傾向にあり、特に、高齢者の7割以上が悩みや不安を抱えています。そのため、地域での付き合いを重視する人が、50代では49.5%、60代では63.2%、70代では76.9%と年齢と伴に増加傾向にあります。地域の付き合いを通して、たくさんの人が「心の拠り所」を求めています。


感情付き心象の活用


 日常生活では、特に高齢者にとっては余暇活動での感動体験の一つ一つが自分自身の心の拠り所になります。また、心の拠り所の中心には、常に感動体験時に記憶した感情とイメージ(心象)が結び付いた感情付き心象があります。

 大きなインパクト(衝動)を受けた際の心象イメージと感動体験発生時の感情を感情付き心象=心象イメージ+感情と紐付け、心象DX化によりデジタルイメージデータとして記録・保存します。

 感情付き心象は、本来は脳内に記憶された断片的かつ曖昧なアナログなデータでしたが、

・感動が発生した日時と曖昧な心象イメージデータを繋ぎ合せる

心象イメージデータに感動要因である感情(喜怒哀楽、嗜好等)を追加

等の心象DX化を施すことにより、感動体験の記録として活用可能になります。


孤独感の解消


 感情付き心象は、基本的には非公開な個人情報です。しかしながら、本人の承諾を前提に、積極的に仲間達と共有することにより、コミュニケーションが活性化し孤独感解消が期待できます。


生き甲斐と意欲の向上


 心象DX化によりモバイルユーザの満足度が向上すれば快適性の向上に繋がります。具体的には、感情付き 心象のデジタルイメージデータをタイムラプス(Time Lapse)表示で再生すれば、感動体験発生時のシーンが鮮明に蘇ります。また、感情付き心象を元にネガポジ分析を行えば、より思考する機会も増え、モバイルユーザ一人一人生き甲斐と意欲の向上に繋がる相乗効果も期待できます。

 ポジティブな感情の場合は、新たな行動に対するモチベーションが向上し、生き甲斐や意欲の増進が期待できます。逆に、ネガティブな場合には、自分自身の日常生活の知的活動プロセスを見直すことにより、次回のチャレンジの際のより良い成果を導きます。